こんにちは、天馬です。
この本、見たことありますか?
今回はこの本「読む聴く覚える2500」についてレビューしていこうと思います。
ハイレベルの中国語を身に付けるためには”良書”を使った学習が必須この本は、中上級者向けの本となります。
「HSK6級対策として最適なテキストが欲しい」
「ハイレベルの読解力やリスニング力を身に付けたい」
少しでもこう思っている人にはおすすめできる一冊です。
中国語は不思議なもので「HSK5級」「中国語検定2級」あたりから、とたんに難易度が上がります。テキストで文法をしっかり勉強したつもりでも、リスニング・読解などにまったく太刀打ちできなくなり、その結果あきらめてしまう人は少なくありません。
こうなってしまう原因の背景には
- リスニングで読まれる中国語のスピードが格段に速くなる
- 読解で要求される語彙数がめちゃくちゃ増える
などが考えられます。
言い方を変えれば「中上級者の学習に適した良書が少ない」というのが中国語学習者を悩ませているともいえます。初学者向けの参考書はめちゃくちゃあるのに、中上級者向けの優秀な参考書はあんまりないのです。
「ニュースとか見て本格的に学習しよう」と考える人もいるでしょうが、逆に難しすぎて挫折してしまう。結局、自分にあった最適な良書を使わないと効果が出ず、語学力はいつまで経っても伸びないのです。
でも、大丈夫。こんな悩みを解消してくれるのが本書です。
本書は「HSK6級レベル」を想定していますが、必要な語彙力を鍛え、良質なストーリーで読解力を養うことができます。中身はどうなっているのか、実際に僕が使って感じたメリット・デメリットをまじえて解説していきたいと思います。
中国語「読む聴く覚える2500」はどんな人におすすめの本か
本書はどのような本なのか、一言で表現するなら「中国語の総合力」を鍛えられる一冊と言えます。
より具体的には
- HSK6級レベルの語彙力
- 本格的なリスニング力や読解力
- 表現力豊かなライティング力
などを鍛えることができます。
本書の目次と構成について
本書の目次がこちら。
本書は合計72のテーマから構成され、第一天から第七十二天として1日1テーマ学べるようになっています。
そして1テーマあたり、以下の3ステップから構成されています。
- STEP①:テーマに関連する単語
- STEP②:空欄補充
- STEP③:長文読解
音声ダウンロードも可能で、STEP①の「単語」とSTEP③の「長文読解」に音声が収録されています。
STEP①(単語)とSTEP②(空欄補充)のイメージSTEP①の「単語」とSTEP②の「空欄補充」のイメージはこんな感じです。
見開きの左側が単語、右側が空欄補充になっています。
STEP③(長文読解)のイメージメインとなるSTEP③(長文読解)はこんな感じ。
見開きの左側が本文(中国語)で、右側に日本語訳がついています。
本書のレベル感
冒頭でもお伝えしましたが、本書はHSK6級レベルの内容となっています。
長文のレベル感はHSK6級と同等か、内容によってはそれ以上のものも含まれています。一応の目安として
- HSK6級や中国語検定2級などの難関資格に合格したい人
- 資格関係なく、本格的な中国語の文章を読めるようになりたい人
- 資格関係なく、本格的な中国語の文章を聞き取れるようになりたい人
こういった人にはおすすめできるレベル感と言えます。
本書で学べること
本書では「リスニング力」「読解力」「ライティング力」といった、中国語の総合力を鍛えることが可能です。
本文を読んで精読するだけでも「読解力」は鍛えられますし、音声を聞いてオーバーラッピングやシャドーイングをすれば「リスニング力」を鍛えることもできます。
時間的に余裕があれば、ディクテーションをすることで「リスニング力+ライティング力」を鍛えることも。
この点については、HSK6級の听力(リスニング)対策で8割超えする勉強方法で詳しく解説しているので、超効率的な勉強法を知りたい人はあわせて読んでみてください。
-
HSK6級の听力(リスニング)対策で8割超えする勉強方法
続きを見る
ちなみに、本書では結構多くの「成語」も登場します。
表現の幅を広げられる点も、本書の魅力と言えるでしょう。
中国語「読む聴く覚える2500」を実際に使ってみた感想
ここでは実際に僕が使ってみた感想をメリット・デメリットあわせてまとめておきます。
「本書を買おうを迷っている」という人は参考にしてみてください。
本書の総合評価結論、この本を買って良かったです。
僕の主観ですが、今まで買った中国語の本の中でも上位に入るくらいの良書だと感じています。その理由として
- 単語だけでなく長文にも音声収録されている
- 長文の内容がイメージしやすいから単語習得に最適
- 長文が適切な長さで継続して勉強できる
- オーバーラッピングやディクテーションに最適な教材
あたりがあげられます。
冒頭でも説明したとおり、HSK6級レベルの中上級者になると適切な教材がないんですよね。でも本書はこの問題を解決してくれる一冊となるので「勉強用のいいテキストがない...」と悩んでいる人にこそ、一度手に取ってみてもらいたいです。
本書を実際に使って感じたデメリット本書を実際に使って感じたデメリットも紹介しておきます。
個人差はあるかと思いますが、正直あまりデメリットは感じませんでした。強いて言うなら
- 長文にピンインを付けて欲しかった
- STEP②の空欄補充は使わないからなくても良かった
この2つですかね。
長文で知らない単語に出くわした時、ピンインがあれば便利だったかなとは思います。ただ、音声を聞いて自分で調べるクセをつけることは、中上級者にとっては語学向上の必須条件だと考えているので、ピンインがないから本書が使えないとまではなりません。
あと、STEP②の空欄補充は僕は使いませんでした。
STEP①で単語を確認して、STEP③で長文読解をする。これだけで十分かなと思います。
本書を実際に使って感じたメリットメリットは先ほどお伝えした点と同じですね。
僕自身、本書を使って勉強することでHSK6級のスコアを伸ばすことが出来ましたし、今でも「中国語の総合力」を引き上げるためにトレーニング教材として愛用しています。
本書を使ったおすすめの勉強法と注意点最後に、本書を使ったおすすめの勉強法と注意点をまとめておきます。
おすすめは本書を”オリジナルテキスト”にして音読すること。
長文読解でわからない単語があったら、しっかりと調べて鉛筆などでドンドン書き足していきましょう。そして、正確なピンインのもと、声に出して発音をチェックしつつ、スラスラ読めるようになるまで練習してみてください。
これをするだけで、3か月後には読解力やリスニング力が爆上がりします。
あとはディクテーションですね。詳細は先ほどの記事にゆずりますが、書き取りもすることでライティング力をリスニング力と同時にレベルアップさせられます。
注意点は表紙に「2か月半で2500語が身につく」と書いてありますが、これはウソです。
本書は「72テーマ」で構成されているので、1日1テーマ勉強すれば確かに2か月半ほどですべて学習したことにはなります。ですが、その頃には最初の単語なんてすっかり忘れています。
「一度学習すれば100%覚えてる」という人は例外ですが、そんな人はいません。
そのため、定着させるためには「何回も各テーマを復習する」などして、回転率をあげた勉強法を意識する必要があります。この点にだけ気をつけて、本書を活用してみてください。
まとめ:「読む聴く覚える2500」は中上級者にこそ使って欲しい良書!中国語の総合力を上げられる
今回は「読む聴く覚える2500」を実際に使ってみた感想をレビューしてみました。
HSK6級を目指している人にも、中国語の更なるレベルアップを図りたい人もおすすめできる一冊です。良質なストーリーを使って学習することで、難しい単語も記憶に定着しやすくなります。
僕もイチ押しの本書、フル活用して中国語を極めていきましょう!