中国語を英語で学ぶのってイメージしやすくていいと思うんだけど、実際のところどうなのかな?
今回はこんな悩みに答えていきます。
中国語と英語は似ているという大きな誤解結論からいきます。
中国語を英語で学ぶ勉強法は今すぐやめてください
これが本記事で伝えたい唯一の結論です。
中国語の文法を学んでいると「なんか英語と似ている」と感じる場面は確かにあります。ですが、ちょっと似ている論点があるからといって、英語に置き換えて勉強することは極めて危険です。
「バスケが出来るならサッカーも出来るでしょ」といった主張と同じような暴論といえます。
本記事では、
- なぜ中国語は英語と似ていると言われるのか?
- 中国語を英語で学習してはいけない根本的な理由
- 具体的にどのように勉強するべきか
この3点について解説していきます。
間違った方法で中国語を学習すると、正しい知識を習得できないどころか、せっかくの学習意欲すら減退してしまいます。こうならないためにも、本記事の内容をチェックしてみてください。
一度読めば、スッキリするはずです。
中国語を英語で学習することを今すぐ辞めるべき理由
英語が出来る人にとっては本記事は面白くない内容かと思います。
ですが、確実に実力を伸ばすためにはめちゃくちゃ重要な考え方となります。本気で中国語の力を付けたいのならば、英語のことは忘れてください。
なぜ中国語は英語と似ていると言われるのか?
そもそも「中国語を英語で置き換えて考える」という発想が生まれたのはなぜでしょうか?
それは「中国語と英語ってなんだか似てるじゃん!」と感じる場面が少なからずあるためです。この「なんだか」という言葉にできない曖昧な感覚がすべての元凶です。
中国語を勉強し始めると、序盤で”是を使った構文”を学習しますが、ここで誰もが「なんだか似てる!」を実感します。それもそのはず。ほとんどの先生が「”是”というのは英語でいうbe動詞みたいなものです」と教えるからです。
別に先生が悪いわけではありません。
英語と違って馴染みがなく、得体の知れない”中国語”という言語にイメージを持ってもらうためには、正直これ以外の説明方法がないのでしょう。僕自身も超初心者の人には「be動詞っぽいもの」と教えることも少なくありません。
「それなら英語で考えても別に良くない?」と思われるかもしれませんが、あくまでも「っぽいもの」。be動詞ではないのです。
be動詞と”是”の違いちょっと例をあげて考えてみましょう。
「私は日本人です」を中国語でいうと
Wǒ shì Rìběnrén 我是日本人
となります。
この時の”是”が英語でいうbe動詞(”I am Japanese”の”am”)に相当するという理屈です。ここまでなら「たしかに”是”って英語のbe動詞だな」と思えそうですよね。
ですが、主語を第三人称に変えてみたり、疑問文にしてみると、色々と整理がつかなくなります。
「彼女は日本人です」を中国語にすると
Tā shì Rìběnrén 她是日本人
となります。中国語だけで比較すれば、さっきの文の主語が「我(私)から她(彼女)」に変わっただけです。”是”については何も変化していません。
ただ、英語との対比で考えると「あれ?主語が三人称になったのに”是”は変化しないの?」みたいな余計な考えが頭をよぎります。疑問文にすると、さらに混乱します。
「彼女は誰ですか?」を中国語にしてみます。
Tā shì shéi? 她是谁?
こちらも中国語だけで比較すれば「日本人」の部分を疑問代名詞「谁」で置き換えているだけです。
ですが、英語との対比で考えると「あれ?疑問文になってるのに語順は変わらないの?」と、またいらない考えが堂々巡りするのです。
中国語を英語で例える”真意”とはこのように、超ベーシックな肯定文の対比であれば「似ている」と言えるかもしれませんが、少しカタチを変えただけでボロが出てきます。
いちいち英語を介入させて中国語を学習することは非効率でしかないのです。
ここではわかりやすいように「”是”を使った構文とbe動詞」を対比させてみましたが、他にも「なんだか似てる」と感じる論点はいくつかあります。いくつか例をあげると
- 是を使った構文 ➡ be動詞に似ている
- 動詞述語文 ➡ 【動詞 + 目的語】の語順が似ている
- 介詞構文 ➡ 前置詞に似ている
- 能願動詞 ➡ 助動詞に似ている
こんな感じです。
大事なのは「イメージを持つこと」であり、英語に置き換えて考えることではありません。英語が出来る人ほど「これを英語に置き換えて考えたらどうなるんだ?」と考える傾向にあります。
似ている部分はイメージをつけるだけ。英語では置き換えて学習することはしない
これを「中国語と英語の向き合い方」の一つのルールとしておいてください。
中国語を英語で学習してはいけない根本的な理由
具体例をあげながら紹介してきましたが、改めて中国語を英語で学習してはいけない根本的な理由を解説しておきます。
結論、中国語と英語には「代替性」がないからです。
「中国語の○○という論点を英語で置き換えるなら○○だよ」とすべての文法論点で言い換えられる、つまり「代替性がある」のであれば、中国語を英語で学習してはいけないとか僕も言ったりしません。
ですが、現実問題として両者は「1対1」の関係にはないのです。
そもそも言語の成り立ちも違う上に、根本的に構造が異なっています。中国語は「约定俗成 yuē dìng sú chéng」といって、長い歴史を通じて人間社会で形成されたもの。
中華人民共和国が成立した1949年以降に「共通語」としての中国語(普通话)の普及が著しい時代がありましたが、これは統一国家を目指す政治的なプロセスから来た流れであり、中国語を英語に近づけようみたいな背景があったわけではありません。
少し話がそれたので、代替性の話に戻します。
中国語の文法には、英語で置き換えられないようなものも混ざっています。一例をあげるなら
- 目的語を前に引き出して動作の処置を強調する”把構文”
- 動作の状態や過程を表す”アスペクト変化”
- もともとの意味が派生して使われる”方向補語”
など、あげればキリがないほど「英語では置き換えられない論点」が多いのです。
中国語を英語で学習するということは、英語に存在しないような論点を英語で例えて考え学習していることと同じなのです。いかに非効率で無駄な勉強法かをこれでわかってもらえたかと思います。
それなら中国語はどうやって勉強すればいいのか?
「じゃあ中国語はどうやって勉強すればいいのか?」
最後にこの点を補足しておきます。
英語を介入させず、中国語は中国語として学習してください。当たり前のように聞こえますが、当たり前じゃない人も多いので改めてお伝えしておきます。
そして、学習を進める際には「語彙力」と「文法力」を高められる良書を使って継続的に勉強することが何よりも大切です。
中国語教材の特徴として「初中級者向けの教材は多いが、中上級者向けの教材は圧倒的に少ない」というものがあります。レベルがあがるほど、学べるコンテンツが少なくなっていくのです。
これは、それだけ中国語が難しいことを物語っていると同時に、わかりやすく教えることが難しい証拠だと僕は考えています。
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まとめ:中国語を英語で学習するのは逆効果!正しい勉強法で中国語を習得しよう
今回は中国語を英語で学習することについて解説してきました。
英語ができる人からしてみたら、少しショックな内容だったかもしれません。ですが、間違った学習法を続けていたら、確実にどこかで行き詰まり中国語学習のモチベーションはなくなっていたでしょう。
「間違った学習法を切り捨てる」
これだけで、学習効率はグンっと上がっていきます。
コツコツと中国語と向き合って学習を進めることで、語学力だけでなく視野も開けていきますよ。